【もう一つのドラマ】プロ野球歴代大型トレードベスト3!!

様々なところで影響を及ぼしている「新型コロナウィルス」。
それは、プロ野球の世界も例外ではありません。

例年ですと、3月に開催されていた公式戦(ペナントレース)も
3ヶ月遅い6月に始まり、試合数や延長戦なども変化が起こっています。

そのため、短期決戦を見越してか今年は各球団、トレードが
活発に増えています。

そこで今回は、プロ野球史に残る歴代大型トレードベスト3を
調べてみました。
トレードの裏側には、単純に戦力の増強からなるもの、選手と球団
との確執が噂されるものなど、複雑で濃密な人間ドラマがありました。
普段は野球に興味のない人でも、ついつい興味を惹かれてしまう。
そんなエピソードが満載です。

そもそもトレードとは、どんなシステムか

プロ野球の球団は、毎年ペナントレースの勝利を目標に戦っています。
そしてペナントレースが終わった後、次の戦いに向けて補強や増強
を行います。
やり方はいくつかあり、ドラフトで有望な新人を獲得したり、
外国人選手で補ったり、ほかにもFAでの選手獲得などもあります。

その中の一つにトレードがあります。これは球団による話し合いで
選手を交換するもので、一番オーソドックスな戦力で同等な選手を
入れ替える交換トレード。移籍元の球団にお金が支払われる金銭トレード
交換選手に金銭を加えてバランスをはかるトレードもあります。

このトレードは選手の意思は関係なく、ほぼ球団同士の話し合いで
決まることが多いとされています。
そのために、様々なドラマが生まれる要因ともなっています。

では、歴代の大型トレードを紹介していきます。

歴代トレード ベスト3

1位 江川卓(阪神) ⇔ 小林繁(巨人) (1978年)

「空白の一日」「江川事件」など、野球を知らない方でも一度は耳にした
ことのある方も多いのではないでしょうか?
これは1978年に行われたトレードで、江川の巨人入団めぐる騒動と、それを
収めるために行われた異例づくめの窮地の一策でした。

これにより、当時巨人でエースとして活躍していた小林繁は阪神へと
トレードされ、江川は問題を抱えながらも巨人入団が決まりました。

この事件では、江川の入団を認めないセ・リーグ側と巨人が対立し、
一時は巨人が新しいリーグを作る話まで出てきました。
その後、読売グループと西武グループが関係が悪化したり、ドラフトの
あり方が憲法である「職業選択の自由」に反するのではないかという
議論も起こり、ドラフトの制度までが問われる自体となりました。

肝心の江川と小林ですが、両者とも巨人、阪神で優秀な成績を収め
小林は83年、江川は87年にユニフォームを脱ぎました。

それから2007年に黄桜のCMで二人は共演しています。このとき、江川は
正式に謝罪したとも言われています。

誰が悪いのか、何が悪かったのか。制度が複雑に絡まった中でおきた
結論が出ない、プロ野球界の大事件であり、歴史に必ず記載されるで
あろう大型トレードでしょう。

2位 落合博満(ロッテ)⇔ 牛島和彦・上川誠二・平沼定晴・桑田茂 (中日)(1983年)

2年連続で三冠王を獲得した落合が放出されるという衝撃的なトレードでした。
なぜこんな優秀な選手がトレードに出されたかというと、球団と落合の確執が
原因だとされています。

史上初の1億円プレイヤーとなった落合ですが、高すぎる年俸や日頃の言動から、
球団ではもてあまし気味だったとのこと。落合側にとっても師と仰ぐ稲尾和久が
監督を解任されるなど、両者の間には溝が生まれていました。

一方、4選手をトレードに出すことにした中日でしたが、そこには様々な葛藤があったようです。
特に投手陣の柱であった牛島は球団との話し合いでも、すぐに答えを出さず、その年に
新監督となり、長年の付き合いのあった星野仙一監督から説得され、ついにトレードに同意
することとなりました。

その後、落合を迎えた中日は88年に優勝。移籍2年目の落合も勝利打点19と優勝に大きく
貢献しました。
対して、新監督を迎えたロッテは5位、6位、6位と低迷を続けました。

ロッテに移籍した牛島選手は、移籍1年目で26セーブポイントで最優秀救援投手賞を受賞し、
89年には先発に転向し、12勝と活躍しましたが、その後肩痛などにより、32歳の若さで
現役を引退しました。

その後、野球解説者になりますが、卓越した投手理論を支持する人は多く、投手コーチ
ではなく、牛島にアドバイスを求める有名選手も少なくなかったと言われています。

落合1人に対して、4人のトレードというこの大型トレードは当時の落合の価値を
十二分に示すものでした。
その後、ロッテ、中日、選手たちで明暗が別れたのも印象的ですね。

3位 大田泰示・公文克彦(巨人)⇔吉川光夫・石川慎吾(日本ハム)(2016)

3位は比較的最近行われたこちらのトレードを紹介します。
それが2016年に巨人と日本ハムの間で行われた、大田泰示・公文克彦
吉川光夫・石川慎吾の2対2のトレードです。

これまで紹介したトレードはチームとの確執やドラフトでの入団希望
の問題が語られていましたが、こちらは戦力強化というトレードの目的が
達成され、選手、球団双方にとって良い結果となったものです。

特に、巨人から日本ハムへ移籍した大田泰示は、2017年に出場機会が増え
15本塁打という結果を残し、今も日本ハムの大きな戦力となっています。

まさに能力が発揮された良いトレードだったのではないでしょうか。

まとめ

過去に大きな話題にもなったトレードですが、近年は減少傾向にあります。
理由としてあげられることに、「育成選手制度」と「独立リーグ」の
定着、そして「複数年契約」があります。

手早くチームの課題を解決できるのがトレードのメリットですが、主力選手を
球団が簡単に手放すわけはなく、どうしても有望株や二軍選手といった成果を
出すまでに時間のかかる選手にならざるをえません。
ならば、コストを安く抑えられる育成選手であったり、独立リーグの選手を
自前で育てたほうがいいという結論になります。

またチームにとっての中心選手が複数年契約を結んでいる場合も多くなっているため
契約によってトレード自体ができなくなります。

このように様々な理由から減っているトレードですが、今後、チーム強化のために
お互いが血を流すようなトレードも出てくるかもしれません。
その時は、ぜひ注目したいですね。

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