ハンコって必要?不必要?街の意見をまとめてみた

先日、河野 太郎(こうの たろう)行政改革大臣が各省庁に対して、
押印を原則廃止するよう要請したという報道がありました。
要請は9月24日からで、できない場合はその理由を月末までに報告せよ
という、かなり早急な改革で、大きな話題となっています。

以前からあったハンコ廃止論ですが、ここにきて、それが一気に現実味を
帯びた感があります。

これに対して街の人々はどのように考えているのでしょうか。
今回はハンコ廃止の賛成と反対の意見を調べてみました。

ハンコ廃止論 街の意見

1.ハンコ 廃止賛成が多数 その理由は?

GMOインターネットグループによる「みんなの”無駄ハンコ実態調査”2020」による
アンケートには、8万件以上の回答があり、ハンコ廃止に賛成の意見は85%にも
のぼることがわかりました。

他に意見を募集しているサイトを調べてみても、脱ハンコを支持する意見が
圧倒的多数で、これはほぼ国民の意見であると見て、間違いないのではないでしょうか。

賛成の主な理由は、ハンコの使用による書類手続きの煩雑さの増加や、セキュリティ
の問題を指摘するものが多くありました。

「役所の書類作成にハンコが必要」になり、その結果「家に帰って持ってきた」もしくは
「近くの100均一の店でハンコを買った」という経験談がいくつも見られました。

これは手続きの面倒さ、セキュリティの問題、両方を表したものではないでしょうか。

ほかにも、コロナ感染のリスクを下げるためにリモートでの仕事に移行するなか、
押印のため出社したという話もあります。
感染リスクを上げ、出社の手間をかけてまで押印することに、疑問を持つのは
当然のことでしょう。

このように、多くの方が手続きの簡略化を求め、廃止すべきと考えているのが
わかりました。

2.反対派の意見

一方、反対派の意見で主に多いのは「伝統や文化だから」というものでした。
ただこの意見も、確固たる考えの元にうまれたものではなく、反対のために、
それらしく納得させられそうな理由を持ってきただけ、のような印象があります。

事実、ハンコは中国、韓国からやってきた文化ですが、すでに両国とも電子認証を
取り入れ、将来的には印鑑認証を廃止する動きになっています。

日本で反対派の影に見え隠れするのが、業界団体の存在です。
「彼らの政治的圧力によって、ハンコ廃止が進んでこなかったのでは?」
という推測が容易にできます。

しかし、それ以外にも役所などの受け入れ側に、電子認証システムを導入
できておらず、ゆえに反対という意見も少数ですがありました。

今後、ハンコ廃止に本格的に動き出したとき、システムを導入するコスト
の問題も議論されることが出てくるかもしれません。
もっとも、それ故に廃止が頓挫する、ということはありえないでしょう。

3.ハンコの矛盾

これから日本社会がハンコ廃止に動き出したとき、どう変わっていくのでしょうか。

ここからは私の予想ですが、省庁、民間企業、ともに重要度の低い事案はペーパーレス化
電子認証化が進み、重要度の高い事案に対しては、しばらくの間、書類に押印が残るの
ではないかと考えています。

しかし、そうなるとハンコの大きな問題点が顔をのぞかせます。
それは本人でなくても押せるという、セキュリティの問題です。

事実、全日本印章協会は、「欧米のサイン制度と違い、代理決済(本文ママ)できると
いう印章の特長が、迅速な意思決定や決裁に繋がり・・・」という文言が要望書に入っており
業界自らもその点を認めています。

仮に印鑑が、悪意ある者に無断で使われ、重要な契約をしたとしても、筆跡鑑定などで
裁判で覆ることもあるといいますが、なかなか容易ではないとも言われています。

そもそも、セキュリティに明らかにわかる穴があるのは、契約される側にとっても、
不安な要素です。
そして、契約が大きなものになればなるほど、不安要素も無視できなくなります。

電子認証に移行していく中でも、セキュリティの問題は必ず出てくることには
なります。しかし、移行していく中で次第に安全性の確保がされていくでしょう。

そうなった時に、ハンコの存在理由として、何が残るのか。
それがハンコ存続への道ですが、現在よりも使用規模が縮小するのは
避けられないでしょう。

まとめ

河野大臣が押印の原則廃止の方針を打ち出したことで、今後、様々な問題が
出てくるはずです。しかし、改革とは方針を打ち出し、それによって生じる
問題を一つずつ解決していくのが基本です。

「政府が変わったので民間も」とは行かないでしょうが、長年変化してこなかった
ハンコの慣習も、これから変わっていくことになるでしょう。

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